マンチェスター・ユナイテッドの前半がダメダメだった理由
開始2分に右SBのディオゴ・ダロトがジャック・グリーリッシュに対してファウルを犯してイエローカードを提示されたときからこの試合のユナイテッドは何かがおかしかった。
最終ラインからボールを繋ぐシティに対して、高い強度でプレスを掛けるわけでも、低い位置でブロックを敷いてスペースを埋めるわけでもなく、中途半端なポジションを取ったことで簡単に相手に剥がされ、試合開始直後から何度もピンチを迎えた
この試合における守備の規律のなさはテン・ハグ監督も試合後に指摘しており、ホームのマンチェスター・シティからすると、勝利への信念も、守備の規律も欠けていた相手チームを崩すことは容易だった。
そして両チームにおいて対照的だったのが「切り替えのスピード」だ。シティは全選手がサボることなくフルスプリントでプレスバックを行い、被カウンター時には2人がかりで起点となる選手を潰すなど、切り替えの部分(トランジション)で優位に立っていた。
一方のユナイテッドは切り替えが遅く、自陣で何度もセカンドボールを拾われて二次攻撃、三次攻撃を受け続け、相手陣内に攻め込んでボールを失うと、そこからほぼ確実にカウンターを発動されていた。
両者のトランジションの意識の違いがわかりやすく表れたのが、37分に決まったシティ3点目のシーンで、ジャック・グリーリッシュとケビン・デ・ブライネ、アーリング・ハーランドの3人で攻撃が完結した。シティの選手のクオリティが抜群に高いとはいえ、ただやられ続ける前半となってしまった。