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レバンドフスキがバルセロナで即フィットの理由。イブラとは違う。似ているのは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

膠着した展開を打開した男



 9分にCBのアンドレアス・クリステンセンが敵陣の中央までドリブルで進んでボックス内に縦パスを入れたり、12分にはガビからのパスをケシエがダイレクトでゴール前のレバンドフスキに送ったり、様々な工夫を凝らしながら、バルサの選手たちはマジョルカの壁を崩そうとした。だが、なかなかフィニッシュまで持ち込むことができない。

 15分にはウスマヌ・デンべレが右からシュートを放ち、18分にはアンス・ファティが左から仕掛ける。個で打開を試みる場面もあったが、やはり赤くて分厚いブロックは崩すことができない。

 中盤にペドリの創造性も欠く中、なかなかゴールをこじ開けるのは難しいのではないか…そう思われた矢先、膠着しかけた状況を打開したのは、ポーランド代表FWだった。

 20分、ボックスの中からは遠く離れた、左サイドのライン際のファティの、すぐ内側にポジションを取ったレバンドフスキ。そこからファティが縦に出したパスに合わせて裏に抜け出すと、そのままドリブルで進んでボックス内で深く切り返し、1人かわして右足でシュート。針の穴を通すようなコントロール・ショットで、ゴールの右下の隅に決めた――。

 ファティがボールを出す前のポジショニングから始まり、自らシュートコースを作る動きも含めて、まさに欧州でレバンドフスキだけが成しえると言って過言ではないフィニッシュだった。

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