名門復活の鍵を握るのは
前述したように、相手DFの退場は大きな要因だった。だが、アーセナルは数的優位となる以前から主導権を握っていた。その戦術において、攻守で中心となっていたのは間違いなくパーティだ。前節怪我から復帰したこの男のパフォーマンスは圧巻だった。
20分に決めたゴールは説明するまでもないだろう。ゴール右上に突き刺したダイレクトシュートはセーブ不可能なスーパーゴールだった。
また自陣ではビルドアップの中心になると、敵陣では攻撃のタクトを振るった。49分のゴールはパーティ→サカ→ジェズス、67分のゴールもパーティ→マルティネッリ→ジャカと、いずれもこの男が起点となって生まれた得点だった。
守備面では29分にソン・フンミンに振り切られる場面もあったが、敵陣でのパスカットやセカンドボールの回収など、73分にピッチを退くまで各所でチームを支えていた。
今節のノースロンドン・ダービーは、パーティの存在なしではここまでの勝利はありえなかっただろう。それほどまでに存在感を発揮していた。
まだまだリーグ序盤戦だが、おそらくアーセナルの強さは本物だ。だが、この強さを保つためにはパーティの継続的な活躍が必要不可欠。アーセナル中盤に君臨するこの男が、低迷期が続く名門復活の鍵を握っていると言ってもいいだろう。
(文:阿部勝教)