アビスパ福岡
予想順位:16位(J1参入プレーオフ)
暫定順位:14位
成績:勝ち点31(30試合7勝10分13敗)
監督:長谷部茂利
8位という好成績を残したJ1昇格1年目の昨季と比べると、今季は苦しい戦いとなっている。中位をキープしていたが、夏場に2分6敗と泥沼にはまって大混戦の残留争いに巻き込まれてしまった。
前線からの献身的な守備と、ボール奪取力に優れた前寛之ら中盤、そしてドウグラス・グローリや奈良竜樹といった強さが自慢の最終ラインが機能し、中盤戦まではリーグ最少失点を記録していた。しかし、得点力不足という課題は昨季から変わらず。山岸祐也が9得点と奮闘する一方、昨季のJ2得点王であるルキアンは3得点、救世主として期待されたジョン・マリもリーグ戦でのゴールはない。
低迷の原因の1つは間違いなく新型コロナウイルスだ。7月末から陽性者が相次ぎ、ルキアン、ファンマ・デルガド、ジョン・マリを同時起用し、GKの山ノ井拓己をフィールドプレーヤーとして起用した試合もあり、試合をこなすのがやっとの状態が続いた。その後も川崎フロンターレ戦(1-4)、名古屋グランパス戦(2-3)では退場者も出すなど、負の連鎖は続いた。
しかし、希望の光も差し込んでいる。17日の清水エスパルス戦で9試合ぶりとなる勝利を挙げた。8試合ぶりの出場となった中村駿がFKで芸術的なゴールを決め、ジョルディ・クルークスのCKから生まれたゴールが決勝点となった。続くYBCルヴァンカップ準決勝第1戦は結果的に敗れたが、試合終盤に2ゴールを挙げてサンフレッチェ広島を追い詰めている。
16位の京都サンガ、15位の湘南ベルマーレ、13位のヴィッセル神戸は福岡よりも残りの試合数が1試合多いため、客観的に見れば不利な状況だ。ただ、10月1日には福岡対神戸が予定されており、福岡が勝利すれば状況は一気に逆転する。何度も逆境で踏みとどまってきた福岡は、残留という壁を乗り越えることができるだろうか。