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代表 2年前

あぶり出されたドイツ代表の「ネガティブな要素」。イングランド戦で得た収穫とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋

ドイツ代表は「引いた相手をどのように打開するか」



 むしろバイエルンというチームを母体とするよりは、ドイツの伝統であるプレッシングおよびゲーゲンプレッシングを母体として徹底し、磨き上げる方が、チームがよりソリッドになり、トーナメント仕様になるのではないか。メンバー構成を14年の優勝時に比べると、今回はバイエルン色の濃いチームにすることは難しいように思われる。

 さらに「ポジティブな点」を挙げるとすると、引いた相手にも安定した戦いができたことだ。本大会のグループリーグでは、スペイン代表はともかく、日本代表とコスタリカ代表は、重心を後ろに置いた戦い方を選択してくる可能性が高い。

 もっとも、日本は国民性もあってか、引いた戦い方を“弱者のサッカー”と形容し、あまり好まない傾向がある。よってサムライ・ブルーは、初戦の難しさを利用し、果敢にハイプレスに打って出て奇襲を仕掛けてくる可能性はあるが、そうなった場合でも、マヌエル・ノイアーやマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンの足元の技術を軸に前半の15分を丁寧かつローリスクのビルドアップで凌げば、ドイツ代表がボールを保持する展開になるだろう。

 そこで引いた相手をどのように打開するかだが、このイングランド戦では、ムシアラの仕掛けであったり、ハヴァーツ、ニャブリの精度の高いミドルレンジからのシュートといった、2列目からの攻撃が有効であることが確認された。引いた相手に動じないメンタリティも、「ポジティブな点」とすることができるだろう。

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