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あぶり出されたドイツ代表の「ネガティブな要素」。イングランド戦で得た収穫とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋

イングランド代表戦で得た収穫とは?



 72分に右サイドからのリース・ジェームズのクロスを、ファーでルーク・ショーに詰められて1点を返されると、75分には中央でギュンドアンが潰されてボールを奪われ、ハーフスペースからボックス内に仕掛けるサカを止めることが出来ず、マウントに決められて同点に追い付かれてしまう。

 さらに79分には、CBニコ・シュロッターベックが、左足の裏でジュード・ベリンガムの右足を踏む格好になりPKを献上。この窮地をハリー・ケインに決められて、遂に逆転されてしまう。しかし、これぞ“ゲルマン魂”と呼ぶべきか、87分に再び同点に追い付く。ボックスの手前でトーマス・ミュラーが落としたボールを、セルジュ・ニャブリがミドルシュート。GKニック・ポープが弾いたところを、ハヴァーツが詰める。

 さすがにハンガリー戦に続く連敗は避けたかったのだろう。終了間際に辛うじてスコアをイーブンに戻して、あまりに過酷なネーションズリーグの最終節を終えた。

 それでは、このイングランド戦におけるドイツ代表の、どのようなところが「ポジティブな点」で、または「ネガティブな点」なのだろうか。

 まず、「ポジティブな点」を取り上げてみると、2点リードするまでは、ギュンドアンとヨシュア・キミッヒのダブルボランチを軸に安定したポゼッションを実現し、プレッシングも連動して機能し、被カウンター時の切り替えも速かった。

 もちろん前半のイングランドは[5-4-1]のベタ引きで、そもそもサッカーをしてこなかったという側面はある。それでも14年のブラジル・ワールドカップを制したヨアヒム・レーブ前政権から受け継がれる、相手がボールを持っている時、自分たちがボールを失った時の守備意識の高さは、依然として徹底されており、カタール・ワールドカップ本大会を戦う上でチームの核となるだろう。

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