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日本代表 2年前

落選を経験した堂安律の変化とは? サッカー日本代表の「当落線上」から「切り札」へ【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Shinya Tanaka,Getty Images

ドイツ代表戦については「ディテールを話し合わないといけない」



「本番ではドイツ、スペインとやりますけど、どちらも変異的に動いてくるチーム。ネーションズリーグのドイツを見ましたけど、後半から3バックで回していたし、そこのディテールは話し合わないといけない」と臨機応変な対応力も必要だと自覚している。そこは周囲の面々と意思疎通を密に取っていくしかない。長友佑都に「若い世代の中で堂々と意見をぶつけてくる選手」の1人に挙げられた堂安ならば、周りを動かすことができるはずだ。

 そのうえで、しっかりとボールを奪ってからゴールへ突き進む推進力と決定力が必要不可欠だ。そこは今の堂安なら問題ないはず。キャプテン・吉田も「フライブルクでコンスタントに結果を出している律も頭から出られないのが今の代表。でも絶対にターンオーバーは必要だし、交代によって戦力ダウンしてはいけない」と強調。背番号21への期待はチーム内でも非常に大きいのだ。

 ここまでは「伊東のサブ」と位置づけられてきた堂安だが、カタールに向けて「伊東とは違った色合いをもたらせる切り札」として周囲から一目置かれつつある。中央に持ち込んでシュートといったプレーはむしろ伊東より堂安の方が長けている。そのストロングをいかんなく発揮し、W杯をつかみ取り、大舞台で日本の救世主になることができれば、まさに理想的だ。

 エクアドル戦の堂安には、見る者を驚かす強烈な存在感をぜひとも求めたいものである。

(取材・文:元川悦子【デュッセルドルフ/ドイツ】)

【了】

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