相手を圧倒したバルセロナの徹底された攻撃とは
試合開始時は5-4-1、1人退場後は5-3-1の守備陣形を敷き、ほぼフィールドプレイヤー全員で引いた守備を行ったエルチェに対し、バルサが行った攻撃は大きく分けて2つだった。
1つは、相手の守備を左右に揺さぶってからの中央突破。もう1つは、片方のサイドに相手を引き付け、ゴール前で素早く逆サイドへ展開してからのクロス。かなりシンプルな攻撃だったが、ゴール前でのパス回しやオフ・ザ・ボールの動き出しは緻密に設計され、チーム全体の共通認識として徹底されていた。
ペナルティーエリアの外側でWGの選手がボールを持った際は、SBが中に絞ったりCFが落ちてくることで相手DFを引き付け、IHがハーフスペースの裏を狙う。また、逆サイドへ展開する際は、CFがゴール前に飛び出すことで相手DFを釣り、ペナルティーアーク付近でフリーになった中盤の選手を経由してオーバーラップしてきたSBへスルーパスと、個々が見事に連動していた。
先制点の場面では、右サイドをウスマン・デンベレが駆け上がると、ペナルティーアークでフリーになっていたペドリを経由し、逆サイドをオーバーラップしてきたアレックス・バルデと繋いで最後は中央のレバンドフスキがゴールを決めている。
さらに3点目の場面では、デンベレがサイドライン際でボールを持つと、右サイドバックのジュール・クンデが中に絞ってボールを受けることで相手DFを釣りだし、空いたスペースに走り込んだデンベレ→デ・パイ→レバンドフスキと繋いでゴール。最終的にどこでフィニッシュするのかをチーム全員が理解していた。
バルサは4選手を交代した後も攻撃を徹底。選手が変わってもチームのクオリティーは全く落ちることがなかったが、シャビ・バルサが展開するサッカーに欠かせない2選手が存在する。