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久保建英 2年前

久保建英が勝利を手繰り寄せた。マンU戦との共通点とは? 広がる選択肢とレアル・ソシエダの収穫【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

ユナイテッド戦との共通点とは?



 それは試合中のシステム変更で勝利を引き寄せたことである。

 ユナイテッド戦、そして今回のオモニア戦ともに、アルグアシル監督は試合中にフォーメーションを4-3-3に移行している。久保はユナイテッド戦では左、オモニア戦では右に配置されていた。

 その2試合、ソシエダは3トップになってから明らかに攻撃が良くなっていた。事実、ユナイテッド戦の決勝ゴールは変更後に生まれたもの。そして今回の勝ち越しゴールも、3トップとなってから誕生している。

 ソシエダのベースとなっている4-3-1-2では、中盤で数的優位を生み出しやすく、ボールも動かせるが、その分幅が取れず、中央で窮屈になってしまうことが多い。1-2と敗れたヘタフェ戦では、幅が取れないことでプレスにハマり、たまらず前に蹴り出す場面が散見されていた。

 しかし3トップの場合は高い位置で幅を取ることができるため、4-3-1-2のように中央で詰まってしまう回数は確実に減る。また、サイドに開く選手が1対1の状況で仕掛けられる場面を増やすことができる。ボールを動かせるソシエダならば、敵陣深くにおいて幅をうまく使いながら相手を揺さぶることも難しくないはずだ。

 最前線の選手が孤立しやすくなるというデメリットはあるものの、久保やメンデスなどサイドと中盤をカバーできる選手が多く、サディクが離脱したことでCFの駒が減ったソシエダの状況を考えれば、4-3-3からスタートする回数が増えてもいいのではないか。ダビド・シルバが使われない場合は、なおさらだ。

 いずれにしても、ユナイテッド戦に引き続きオモニア戦でもフォーメーション変更により勝利を引き寄せられたことは非常に大きい。アルグアシル監督の選択肢もより広がっていくのではないだろうか。

(文:小澤祐作)

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