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欧州最高峰の舞台で旗手怜央が輝く理由。“得点”シーンだけではない、サッカー日本代表MFが果たす貴重な役割とは?【欧州CL分析コラム】

text by 編集部 photo by Getty Images

今度こそ初勝利なるか


【写真:Getty Images】



 アンジェ・ポステコグルー監督が「相手がどうであれ、自分たちのやることは変えない」というスタンスを貫く中、旗手は基本的な戦術に忠実でありながら、相手の出方を慎重に見極めて少しずつプレーに変化をつけている。どこにスペースがあるのか、どこを使ったら相手を動かせるのかといった崩しのヒントを見抜く観察眼の確かさが活躍の秘訣ではなかろうか。

 セルティックは国内リーグの大半のクラブと圧倒的な実力差があり、どうしても主導権を握る試合が多くなる。そのため対戦相手のレベルが格段に上がり、拮抗した展開が増える欧州カップ戦で苦戦しがちだ。

 そういったより難しい舵取りが求められる試合の中で、愚直に自分たちのスタイルに徹するだけでなく、相手に合わせて変化をつけられる旗手のような選手は貴重。マクレガーやオライリーと組む中盤のトライアングルを起点にしたボールポゼッションは非常に安定しており、今後もチームの核となっていくだろう。

 英『BBC』によれば、セルティックのキャプテンを務めるマクレガーはシャフタールと引き分けた後に「後半は非常によかった。ビッグチャンスを4、5回作れた。次のステップは、そのうち1つを決め切って試合に勝つことだ。それが自分たちに自信を与えてくれる」と述べたという。

 セルティックが入ったグループFは、おそらく前回王者のマドリーが首位で突破していく。現在の順位表ではシャフタール、セルティック、RBライプツィヒと続くが、おそらくマドリー以外の3クラブの実力は拮抗している。

 ポステコグルー監督が率いるクラブは、2位での決勝トーナメント進出を現実的な目標としていくべきだ。そのためにはアウェイでもしっかり勝ち点3をもぎ取っていかなければならない。

 旗手がゲームの組み立てや崩しの局面で存在感を発揮したなら、次は古橋や前田にフィニッシュの局面で違いを見せてもらいたいところ。ワルシャワでの一戦を見て、前線のアタッカー陣のパフォーマンス向上がグループステージ突破に直結すると確信した。

(文:舩木渉)

【了】

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