マン・オブ・ザ・マッチに輝いたのは?
守備時は的確なポジショニングで相手ボール保持者の選択肢を限定しながら味方のボール奪取を助け、時には体を張って攻撃を食い止める。そして、攻撃に移ると果敢にゴール前まで飛び出していき、チャンスメイクにも関わった。
こうした働きぶりが認められ、鎌田はUEFA公式のマン・オブ・ザ・マッチ(この試合で最も活躍した選手に贈られる賞)に選ばれている。攻守にエネルギッシュな姿勢が高く評価されたようだ。
クラブ公式サイト上では「非常にタフな試合で、僕たちにとって非常に重要な勝利だったと思います。チーム一丸となって戦い、自分たちらしいスタイルで戦えた」という鎌田のコメントが紹介されている。やはり4-2-3-1ではなく、慣れ親しんだ3-4-2-1での戦いに手応えを感じているようだった。
フランクフルトを率いるグラスナー監督は「今日のようなパフォーマンスを発揮したチームには脱帽だ。予想していた通り激しい戦いになったが、チームは非常に規律が取れていて、選手たちは全く諦めなかった。我々は勝利に値すると思う」と選手たちの奮闘を称えた。
この流れを踏襲して、今後も昨季と同じ3-4-2-1での戦いを続けていくことになるだろうか。新加入のゲッツェが2列目で中心選手となった今、もし3バックを継続するなら鎌田はボランチ起用が増えるかもしれない。シーズン開幕からゴールを量産していたが、今後は少しゴールから遠い位置でのプレーが増えそうだ。
また、昨季まで主力だったDFマルティン・ヒンターエッガーが現役を引退した最終ラインでは、ヴォルフスブルク時代以来13年ぶりのCLに挑んでいる長谷部の出番が増えるはず。そうなればフランクフルトの今季の戦いでカギを握るのは、2人の日本人選手と言っていいのではなかろうか。
(文:舩木渉)
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