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バルセロナはなぜ完封負けを喫した? バイエルンとのわずかな差、シャビ監督にとって痛恨だったのは…【欧州CL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

バルセロナが突かれた弱点は?



 もう1つバルセロナとバイエルンの間に差を感じたのは、弱点を突く正確性と徹底ぶりだろうか。

 バイエルンのボール保持時、バルセロナは中盤のペドリ、ガビ、そしてセルヒオ・ブスケッツにも高い位置を取らせていた。相手を圧縮する意味では当然悪いことではないのだが、当然ながら本来ブスケッツがいるスペースは空く。これがバルセロナの弱点だった。

 前半からブスケッツのいないエリアを使われることは少なくなかった。27分には、誰も捕まえられなかったジャマル・ムシアラに縦パスが入り、その落としを受けたレロイ・サネがブスケッツのいないスペースに侵入。そして左サイドのサディオ・マネに展開され、最後はノゼア・マズラウィのチャンスに繋げられた。

 54分の2失点目も、上記のシーンに似てなくはなかった。またも中盤でムシアラを捕まえられず前向きでボールを持たせてしまうと、ブスケッツのいないスペースにサネがランニング。ガビは懸命に戻っていたが、流石に間に合わなかった。また、この時クリステンセンはボール保持者に対応、ロナルド・アラウホはやや右に流れていたトーマス・ミュラーを気にしていたため、アラウホとジュール・クンデの間が大きく空くことに。そこへサネに走られ、最後はムシアラのパスからそのままゴールネットを揺らされた。

 バイエルンを圧縮するためにリスクを冒してでもブスケッツを高い位置に出したバルセロナ。それにより浮かび上がる弱点を何度も突いて結果を出したバイエルンは流石で、こうした大舞台で勝てるかそうでないかの差が出たと言える。

 2-8と大敗した時のような大きな差はないが、まだ細かな差がある。それが重なった結果が、今回の0-2というスコアに繋がったと言えるだろう。シャビ監督は今後、どのような采配でその差を埋めていくのだろうか。

(文:小澤祐作)

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