チームメートが語る家長昭博の凄さとは?
右で縦関係を形成する山根視来も「アキさんは誰がどう見てもスーパーな選手。前で時間ができるのはチームにとって大きなメリット。あそこでキープしてくれるので、相手もそこに引っ張られてしまう」と神妙な面持ちでコメントしていた。
実際、敵として向き合った野津田岳人も「家長選手がサイドから中央に下りてきてそこで混乱してしまった部分はあった」と悔しさを吐露する。百戦錬磨のレフティの一挙手一投足が広島の組織を巧みに破壊したと言っても過言ではない。そのくらいの絶大な存在感を示していたのである。
1-0で折り返し、後半に突入した後も川崎の勢いがとどまることはなかった。広島は森島や満田ら主力を投入し、巻き返しを図ってきたが、決して動じることなく、前半以上にボールを保持。敵の守備陣をキリキリ舞いした末に、脇坂が後半14分にテクニカルな反転からの右足シュートを決め、2-0とリードした。
これでほぼ勝敗は決したが、彼らは攻撃の手を緩めない。21分には山根の浮き球に反応した家長が住吉ジェラニレショーンのファウルを誘ってPKをゲット。知念慶が確実に決めて3点目を奪う。さらに後半33分にはマルシーニョのシュートのこぼれ球を家長が左足ボレーで豪快に決めきり、終わってみれば4-0の圧勝。「現状では、川崎と横浜の2チームは自分たちより力が上」とスキッベ監督に言わしめるほどの実力差を見せつけた。