鎌田大地のCLデビュー戦は?
フランクフルトとともにCL本戦デビューを果たした鎌田だったが、いつものブンデスリーガの試合ほど味方と近い距離でプレーすることができなかった。なかなか前向きにボールを持たせてもらえず、ペースがつかめない。上で述べたようにチャンスに絡むシーンも多々あったが、ことごとくスポルティングCPのディフェンス陣に阻まれてしまう。
53分に訪れたペナルティエリア内でシュートを放つチャンスも、身を投げ出した相手DFルイス・ネトにブロックされた。残念ながら「鎌田の日」ではなかった。なお、MF長谷部誠は84分から鎌田にかわって途中出場し、13年ぶりにCLの舞台に立ったがチームを勝利に導くことはできなかった。
勝利したスポルティングCPは、大きな収穫を得てポルトガルへ戻ることになるだろう。今季は「9番」タイプの選手がチーム内に1人しかおらず、その選手も負傷離脱していた最近はストライカー不在で戦わざるを得なかった。リーグ戦で早くも昨季は一度もなかった連敗を喫し、最適な形を模索する日々が続いていた。
しかし、3-4-3の最前線で起用されているエドワーズが今季の公式戦で6試合出場3得点3アシストと多くのゴールに絡み、トリンコンもフランクフルト戦でようやく加入後初ゴールをゲット。唯一の純粋なストライカータイプであるFWパウリーニョも実戦復帰を果たした。対戦相手によって「9番」タイプを使うのか、「0トップ」的な組み合わせにするのか、戦い方の幅が広がったと言えそうだ。
明暗分かれることになった日本人対決は、それぞれの今後の戦いにどう影響していくだろうか。スポルティングCPとフランクフルトが属するグループDは、トッテナムやマルセイユも含めて全て日本人選手の在籍歴があるクラブによる実力拮抗の争いが繰り広げられていくはず。これからも守田や鎌田、長谷部のプレーから目が離せない。
(文:舩木渉)
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