真の勝利の立役者は…
スポルティングCPは82分に途中出場のMFヌーノ・サントスが加点し、アウェイで3-0の快勝を飾った。試合開始直後から丁寧にゆっくりとビルドアップする姿勢を見せ、ホームのフランクフルトにハイテンポな展開を作らせない手堅さで徐々に主導権を握り、後半に3得点という“大人”な勝ち方だった。
ルベン・アモリム監督も地元ポルトガルの中継局『イレブン・スポーツ』が実施したフラッシュインタビュー「昨季の(CLの)初戦の方が、我々ははるかに『大人』だった。ところどころに経験不足が感じられたが、最終的には我々がゴールを決め、無失点で終えられた」と述べている。
昨季のCLグループステージ初戦でスポルティングCPはアヤックスに1-5という大敗を喫していた。その結果を踏まえれば、今回の3-0は最高のスタートと言える。アモリム監督も安堵しているに違いない。
チームを大勝に導いたのは2得点に絡んだ守田や、1得点1アシストと目に見える数字を残したエドワーズなのは間違いない。だが、最大の功労者はGKのアントニオ・アダンだと断言できる。
開始2分で味方のバックパスのミスからピンチを迎えた際は、アダンが落ち着いた飛び出しでFWランダル・コロ・ムアニのシュートを左足に当てて失点を阻止。このベテラン守護神がおらず、もしここでゴールを許していたら、昨季のアヤックス戦のような悪夢を味わうことになっていたはずだ。
16分にはショートカウンターでゴールに迫った鎌田からのラストパスを正確な予測をもとに処理し、コロ・ムアニにシュートを打たせない。さらに30分にも抜け出してきた鎌田からのクロスをがっちりキャッチしたアダンがピンチの芽を摘んだ。またも35歳のスペイン人GKが大きな仕事をした。
アモリム監督も「アダンはアダンだった。彼は昨季ほどいい状態ではないと言っていたが、サッカーとはそういうもの。物事はいつか変化するし、常に信じ続けなければならない」と地道に努力を続けて本調子を取り戻した大ベテランを称えた。