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Jリーグ 2年前

山田直輝が帰ってきた。川崎フロンターレ撃破、影のヒーロー。背番号10の復帰が湘南ベルマーレに与える影響とは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

「3つの選択肢の中で確率の高いものをしっかり判断できた」



 試合後に阿部が振り返ったように、阿吽の呼吸から生まれたものだった。阿部がスルーした瞬間、山田はオフサイドポジションにいたため、阿部が少しでもボールに触れていればオフサイドになっただろう。阿部も食いついてきた相手DFと、縦に抜ける山田を視野に入れていたからこそ、スルーという判断ができた。2人が公式戦のピッチに立つのはこれが初めてだが、それを感じさせないコンビネーションだった。山田の言葉からも、2人の意思がぴったり合っていたことがわかる。

「大暉は阿部ちゃんに出したみたいだったんですけど、阿部ちゃんは僕の動きをしっかり見ててくれてスルーしてくれたのでうまく抜け出せました。その後はシュートを打とうか、(池田)昌生にクロスを上げようか、阿部ちゃんに出そうかという3つの選択肢の中で確率の高いものをしっかり判断できたかなと思います」(湘南ベルマーレ公式サイトより引用)

「状況を見て判断できるところがストロング」と指揮官に言わしめる阿部との連係が逆転勝利のカギになった。茨田を含め、周囲との関係性の中で適切な判断を下せる3人は、これまで得点力不足に悩まされてきた湘南を救う存在になるかもしれない。

 勝利した湘南は14位に順位を上げたが、入れ替え戦に回る16位との勝ち点差はわずか1。負けられない戦いが続く中、脳裏に浮かぶのはこの言葉だ。

#大切なのはいつも今

 山田直輝がSNSで必ずつけるハッシュタグである。残り6試合、ピッチに戻ってきた背番号10のパフォーマンスから目が離せない。


(取材・文:加藤健一)

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