「選択肢が増える」山田直輝が与える影響とは？

「（山田は）考えてプレーできる選手だと思うし、周りの状況を見て、相手が嫌なことだったり、自分が得意なプレーを出せるプレーヤーだと思うので、入ってきてくれたら気にかけなくていいというか、気にせずにプレーできる。（山田を）気にしなくてプレーできれば他のことを気にできるし、自分の選択肢が増える。任せられるし、いて欲しいポジションにいてくれる」

　山田がピッチに入ったことで、チャンスの数は明らかに増えている。81分に体勢を崩しながら懸命に足を伸ばして瀬川のシュートをお膳立て。さらに、82分には山田を中心とするパスワークで川崎ゴールに迫る。瀬川のシュートは惜しくもポストに弾かれたが、ラストパスとなった左からのクロスを入れたのも山田だった。

　結果論になるが、山田直輝という指揮者がピッチに立った湘南がボディブローのように川崎を追い詰めていった。そして5分が掲示されたアディショナルタイムに劇的なシーンが生まれる。杉岡大暉の縦パスを阿部がスルー。山田が左サイドを突破して折り返すと、ゴール前に走り込んでいた阿部がゴール左に決めた。

「スギちゃん（杉岡）が僕か（山田）直輝に出すかなと思っていた。直輝もいいタイミングで走っていましたし、DF（山村和也）が僕にしっかり来られなさそうだったのでスルーしました」