久保建英とダビド・シルバによる魅力的な連係
そんなエルチェ戦で、日本代表MF久保建英はまたも先発入りを果たした。ポジションはこれまで通り2トップの一角。推進力のあるアリ=ショーが左に入ったため、久保は右でのプレーとなった。
その日本人レフティーは前線で活発に動き、エルチェDF陣を困らせている。とくにトップ下に入ったダビド・シルバとの連係は、実に魅力的だった。
小柄かつ左利き、プレースタイルも近しいものを持つ2人は、イメージの共有がしっかりしている印象がある。久保はシルバを良く見ているし、シルバも久保を良く見ている。ポジションに固執せず、比較的自由に動く両者だが、それでもしっかりとした連係が発揮できるのは、まさにそういうことなのだろう。
エルチェ戦で久保とシルバにより作り出された決定機はいくつもある。
最もソシエダファンが息を呑んだのは62分のシーンだろう。カウンターからシルバがボールを持つと、右サイドに開いた久保へ。シルバはそのまま中央に走ると、細かなタッチで中に切り込んだ久保からリターン。シルバはキレの良いキックフェイントでDF1枚を剥がしている。惜しくも最後はカバーリングに遭いシュートには持ち込めなかったが、2人だけで完璧に崩していた。
20分に訪れた先制のシーンも、久保とシルバの動きが光っている。
スビメンディがボールを持つと、シルバが斜めへランニングし相手を引き付ける。それにより空いたスペースに久保が落ち、こちらも相手を引き付けたことで背後にスペースが出来た。最後はブライス・メンデスが抜け出し、スビメンディからの高質なスルーパスを受けてゴールを決めた。
公式戦でシルバと久保が共闘したのはこれで3試合目だが、早くもそのコンビネーションはソシエダにとって貴重なものになりつつある。今後もこの2人が攻撃を活性化するようなゲームは、増えていくだろう。
ただ、この2人がより輝く上で、ソシエダはあることを進めなければならない。