アジアサッカー・AFCチャンピオンズリーグ(ACL) 最新ニュース
【写真:Getty Images】
キャスパー・ユンカーがポケットから取り出したのは…
浦和レッズをAFCチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝敗退の危機から救った男が、意外な一面を見せた。
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25日に行われた準決勝の全北現代モータース戦で、浦和はPK戦の末に勝利。来年2月に行われる決勝への挑戦権を手に入れた。
1-1のまま延長戦に突入し、延長後半の116分に全北現代の逆転ゴールが生まれる。しかし、諦めずに反撃した浦和は120分に劇的な同点ゴールを奪った。ゴールネットを揺らしたのは途中出場していたFWキャスパー・ユンカーだった。
後半の終わり際に決勝ゴールの大チャンスでシュートをゴールポストに当ててしまっていたデンマーク人ストライカーは、その場面を振り返り「単純にもう少し長くプレーしたかっただけです。10分だけで終わりたくなかったので(笑)と勝ったからこそのジョークで笑いを誘った。
一方、120分の同点ゴールの場面は「どんな時でもワンチャンスを待っていた」からこそ生まれたもの。ゴール前で一瞬の判断と極限のプレー精度が求められる状況だったが、「角度は少し難しかったですけど、FWにとってはこぼれ球をしっかりゴールの枠に入れることは非常に重要な仕事」と語る通り、ほんのわずかな時間の中でタイミングを慎重に図り、利き足と逆の右足インサイドキックで丁寧にシュートを流し込んだ。
「後半に自分にとって最初のチャンスを逃していましたけど、精神面は揺らぐことなく、自分のことを信じていました。僕はストライカーなので、冷静さを保つことは大事な要素であり、チームのためにゴールを決めるのが仕事。それを見せられたと思います」
ACL決勝への切符をつかみ取り、取材も終盤に差し掛かったところでユンカーは突然ジャージの右ポケットに手を突っ込んでゴソゴソと何かを探しているようだった。そして、ポケットから出てきた手には1枚の1000円札が。
財布からではなく、ポケットにそのまま出てきた1000円札で「コーラを買おうと思って…」とユンカーは笑う。そして「1杯のコーラに値する夜だと思っています」と、ACL決勝進出への喜びを表現した。
全北現代戦の2日前には東京の池袋にある「麺創房 無敵家」を訪れて、ラーメンを堪能する様子を自身のツイッターに公開していたユンカー。この1杯を食べた効果はてきめんだったようで、「明日もラーメンを食べようと思います。とてもおいしかったので、また同じ店に行ってしまうかもしれません」と「無敵家」再訪を示唆した。
サッカー選手は食生活に細心の注意を払い、日頃から節制をしているイメージを持たれがち。だが、大好物のうどんのみならず、ラーメンやコーラと意外にもジャンキーなものでユンカーは“無敵”になる。これからも日本のおいしい食べ物を原動力にするデンマーク人ストライカーが絶妙な動き出しで相手ディフェンスを出し抜き、ゴールを陥れる姿を何度も見られるだろう。
ちなみに、コーラを飲む際にユンカーは「コカ・コーラ派」だそうだ。
(取材・文:舩木渉)
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