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アジア 2年前

浦和レッズが繰り出すKOパンチの威力。ACL準決勝へ、全北現代の脅威になる男とは?【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

相手にとって難題



 ゴールへ向かうドリブルや、スペースが無いかと思える場所にスペースを見つけ出す力によって、相手DFに一瞬たりとも気を抜かせない。ゴール前でも鋭い決定力を発揮し、リーグ戦(8得点)とACL(松尾佑介と並ぶ5得点)の両方でレッズのチーム得点王となっている。

 その決定力こそはまさに、シーズンの佳境を迎えるこれからのレッズに必要となるものだ。モーベルグと酒井宏樹が連係する右サイドは、どのチームにとっても嫌な相手だろう。

 BGパトゥム戦でも2人は絶妙に息が合ったプレーを見せ、モーベルグはこの試合でも彼らしい強烈な一撃でゴールネットを揺らしてみせた。「毎日取り組んでいる。どんどん良くなってきているし、ここからさらに良くしていきたいね」とモーベルグは試合後にコメントしていた。

 ラウンド16の大邸戦でも準々決勝のヴィッセル戦でも延長戦までの戦いを強いられた全北にとっては、埼玉スタジアムが熱く燃え上がることが予想される準決勝で、調子を上げ自信を強めているモーベルグを抑えなければならないのは間違いなく難題だろう。モーベルグ自身も仲間たちも、ホームの声援を背にして大一番に臨むことを楽しみにしているようだ。

「年内のチャンピオンズリーグの試合はこれで最後。エネルギーは十分残っているし、しっかり戦わなくちゃね」とモーベルグ。2022シーズンのACL決勝は、実際には2023年2月に開催が予定されている。

 どこかパンチドランカーのような足取りでシーズンをスタートさせたレッズだが、不屈の闘志で体勢を立て直してきた。今後数週間でモーベルグがあと一つか二つKOパンチを繰り出したとしても全く驚くにはあたらないだろう。

(取材・文:ショーン・キャロル)


【了】

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