浦和レッズの攻撃陣を牽引する存在
一方で天皇杯では、元浦和監督の大槻毅が率いるJ2下位のザスパクサツ群馬に敗れ去ってしまった。だが、ほぼベストメンバーを送り出しながらも正田醤油スタジアムで敗れた落胆を引きずることはなく、4日後には先発メンバーのうち9人が再びスタメン出場。同じくスロースタートで下位を争っていたヴィッセル神戸から大きな勝ち点3をもぎ取って勢いを取り戻した。
この日のノエビアスタジアムでレッズのヒーローとなったのは、終了間際に決勝点となる鮮やかなFKを突き刺したダヴィド・モーベルグだった。ここ最近のチームが国内でもアジアでも好調を維持しているのは、そのモーベルグの存在が大きな要因となっている。
スウェーデンからやって来たモーベルグは、日本の入国制限のため今季最初の6試合には出場することができず、その間チームはわずか1勝しか挙げられずに4敗を喫していた。だがジュビロに勝利を収めた前述の試合でデビューを飾ると、いきなり実力を発揮。ハーフタイム明けの交代投入からわずか3分で素晴らしいゴールを記録してみせた。
モーベルグがJ1デビューから出場を続けた7試合で浦和は1勝しか挙げられなかったとはいえ、負けることもなかった。続いて彼が欠場した3試合は2分け1敗。セレッソに敗戦を喫し、その前後の鹿島アントラーズ戦とアビスパ福岡戦はドローに終わった。
そこからはまたリーグ戦9試合に連続出場。8月6日の名古屋戦には0-3で敗れたが、モーベルグにとってはそれがJ1でこれまでに味わった唯一の黒星となっている。
攻撃陣に強力な武器を揃えるチームの中でも、モーベルグは大きな脅威として確かな立場を固めてきた。