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久保建英 2年前

久保建英がバルセロナ戦でアピールしたポイントとは? 決して無駄ではない、下位クラブでの経験値【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

マジョルカとヘタフェでの苦労が力に


【写真:Getty Images】



 それは守備時の働きだ。

 先述の通り、前半のソシエダはバルセロナと互角の戦いを繰り広げていた。それを可能としていたのは連動したプレスであり、久保の貢献度も大きかった。

 試合開始早々、久保はしっかりとしたプレッシャーでロナルド・アラウホからボールを奪い、攻撃に繋げた。勢いのままアラウホに突っ込むのではなく、ボールが同選手の下へ渡る前にややスピードを落とし、DFが縦に出したところで体を入れるという、考えられたプレーだった。

 さらに6分、イサクのゴールの起点となったのも、久保の守備だった。

 右サイドに開いたアラウホから中盤底のフレンキー・デ・ヨングにボールが渡ると、まずシルバが左のコースを切りながら寄せる。そこに久保もしっかり反応し、アラウホへのパスコースを切りながら寄せたことでデ・ヨングの逃げ道を消した。そして久保が足を出してボールを奪い、ショートカウンターに繋げている。

 久保はデ・ヨングにプレッシャーにいく直前、チラッとアラウホの方を確認していた。だからこそ、しっかりとコースを塞ぎ、デ・ヨングを困らせることができた。ただ頑張るだけでなく、考えて守備ができるのは評価できるポイントだ。

 久保はこの日、チーム3位となるタックル成功数4回を記録している。ヘタフェやマジョルカ時代は苦しかったが、そこで培った守備の意識や強度が表れた結果とも言えるかもしれない。

 もちろん、本来久保が求められるプレーはそこではない。やはりゴールに直結する仕事だ。次節、ソシエダの相手はエルチェ。単純な実力では相手を上回っており、攻める時間も多くなるはずなので、久保にはカディス戦と同じような活躍を期待したいところである。

(文:小澤祐作)

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