悔やまれる久保建英の決定機逸
その理由について、イマノル・アルグアシル監督は「ガス欠」をあげている。前半からハイテンションだったソシエダは後半に入りプレスの強度がダウン。バルセロナに余裕を与えてしまった。69分、イサク、シルバ、久保の3枚を一気に下げたのも、守備強度を気にしてのことだろう。
もちろん守備崩壊の理由は「ガス欠」だけに留まらない。バルセロナの交代策もソシエダを大いに苦しめていた。ただでさえ厳しい時間帯に、元気な状態のアンス・ファティやハフィーニャが出てくるのは、もはや地獄。実際、試合を決めたのはファティのパフォーマンスである。王座奪還を目指すバルセロナの選手層の厚さに対しては、さすがにソシエダも成す術なかった。
また、アルグアシル監督はあることを悔やんでいた。それは「前半にチャンスをモノにできなかったこと」だ。シルバ、メリーノ、そして久保に決定機が訪れたが、GKマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンのファインセーブもあり、決めきることができなかった。
久保にビッグチャンスが訪れたのは27分だ。
イサクからのパスを受けたメリーノが左足で強烈なシュートを放つと、これをテア・シュテーゲンがセーブ。ボールはボックス内中央にこぼれ、これに久保が反応しシュートを放ったが、ボールはわずかに枠外へ。少し浮いており、DFもブロックに入っていたので決して簡単ではなかったが、ほぼ中央かつフリーの状態だったので、せめて枠には入れたいところだった。ここは反省点だろう。
前節のカディス戦と同じく2トップの一角で先発した久保のこの日のシュートは上記の1本のみ。それを外してしまったので、印象としてはあまり良くない。またタッチ数は先発したフィールドプレーヤーの中でワースト2位の34回、パス18本で成功率67%、ドリブル成功数0回と、ボールを持った際のインパクトはそれほどなかった。
それでも、アピールできたポイントもあったのは事実だ。