新監督がみせた対応策
「自分たちが準備してきたこと以前に、局面局面の球際の部分で負けていたり、セカンドボールの反応や予測がチームとしてできていなかった。当たり前のことをやって初めて戦術のことを話せる。ベルマーレとやる時はいつも物凄い熱量で向かってくるので、そこで上回らないといけなかった」と三竿も反省の弁を口にした。
前半のデータを見ても、支配率こそ52%と相手を上回ったものの、シュート数は7対3と少なく、パス成功率も68%台。それだけミスが多かったということになる。理論派の岩政監督も停滞感を色濃く感じたはず。すぐさま修正を図るべく、後半頭から和泉竜司、エヴェラウド、キム・ミンテの3枚を投入。三竿をボランチに上げて樋口雄太と組ませ、鈴木優磨とエヴェラウドのコンビを最前線に配置することで主導権を握ろうと試みた。
的確な対応が奏功し、後半の鹿島は多少、流れがよくなかった。後半8分には安西が左サイドから強引なシュートを放つなど、ゴールへの姿勢も増していく。そして迎えた14分、右サイドで和泉が畑との競り合いからセカンドボールを保持したところからビッグチャンスが生まれる。
和泉からパスを受けたエヴェラウドがDFをかわし、背後を抜けた樋口へパス。次の瞬間、リターンを受け、左足を一閃。数少ないチャンスを決めきり、先制点を手に入れたのだ。
「相手より走るとか球際で勝つとか根本的な部分でずっと湘南に優位に立たれてきたけど、得点のところはそこで取りきってゴールにつながった」と和泉も安堵感を吐露した。