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もうカゼミーロはいない…。レアル・マドリード、新たな中盤の機能性は? 大勝の裏で見えたのは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

レアル・マドリードの新たな屋台骨



 もちろんモナコからやってきたフランス代表MFが真価を発揮するには時間が必要だろうし、さらに時間を要して試合をこなし続ければ、あるとき飛躍的な成長を遂げてヴィニシウスのように“覚醒”する可能性もある。同様のことは、カマヴィンガにも言えるだろう。

 もっとも、監督のアンチェロッティ自身は、セルタ戦でのチュアメニのパフォーマンスについて「彼は今日とてもよくプレーしたし、トレーニングでよくやっているようなパフォーマンスを示した」とコメントを残している。イタリア人指揮官は「チュアメニはカゼミーロとは違ったクオリティを持っている」ともコメントを残していることからすると、アンチェロッティ監督としてはチュアメニに“カゼミーロの代役”という役割は求めていないようだ。

 そしてカゼミーロ、クロース、モドリッチからなる“黄金の中盤”のクオリティを維持することよりも、カマヴィンガも含め若手を成長させることで、レアルの新たな屋台骨を形成しようとしているのかもしれない。パフォーマンスに衰えが見られないとはいえ、モドリッチは今年の9月に37歳となり、クロースは2023年の夏にレアルとの契約が切れる。好むと好まざるとにかかわらず、レアルの中盤は変わらざるを得ない時期に差し掛かっているのだ。

 カゼミーロはもういない。そしてじきにクロースも去り、モドリッチにも頼り続けることはできないだろう。

 中盤のトライアングルが新たなアイデンティティを獲得できるかどうか。

 リーガ、そして再びのCL制覇に向けて、アンチェロッティ監督の手腕が問われるシーズンとなりそうだ。

(文:本田千尋)

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