大勝の裏で…。新たな中盤のパフォーマンスは?
カルロ・アンチェロッティ監督の下でリーガとCLの2冠を達成した昨季も、カゼミーロ、クロース、モドリッチの3選手で構成されるトライアングルに頼るところはあった。もちろんヴィニシウス・ジュニオールの“覚醒”など、2冠の要因は他にもあるが、この第1期ジダン政権が残した“遺産”は、近年のレアルの屋台骨であり拠り所だったと言って差し支えないだろう。
そこで、今回のセルタ戦の中盤で先発したのは、モドリッチと並んだのが、エドゥアルド・カマヴィンガ、そしてアンカーに新加入のオーレリアン・チュアメニである。カマヴィンガとチュアメニは、開幕節のアルメリア戦に続いて先発となった。
比較するのは酷かもしれないが、モドリッチ、カマヴィンガ、チュアメニで構成されたセルタ戦の中盤は、強度やダイナミズム、攻守の連動性などにおいて、“黄金の中盤”の機能美からは程遠かった。結果的に今回のセルタ戦は、後半にカウンターから2点を追加して4-1での快勝となったが、大勝という結果だけに目を奪われていると、本筋を見失うことになるだろう。
王者らしい試合巧者ぶりを発揮して勝利したレアルだったが、中盤のトライアングルに限定すると、機能的だったとは言い難い。チュアメニは不用意なドリブルやパスミス、守備の強度の弱さが散見され、まだまだ“エル・ブランコ”に馴染んでいないようだった。