移籍を決断した理由と覚悟

【写真：Getty Images】

　人懐こい笑顔を浮かべた飯野は、下部カテゴリーからステップアップしてきた点で、セルティックで活躍するFW古橋亨梧をダブらせる。古橋も中央大から加わったJ2のFC岐阜でプロになり、2018年夏に加わった神戸で飛躍を遂げた。

　森保ジャパンに名を連ね、開幕が迫ってきたカタールワールドカップ代表入りも狙う韋駄天ストライカーをリスペクトしながら、飯野は自らの道を歩みたいと力を込める。

「このチームには代表を経験してきたすごい選手が大勢いますし、僕自身、鳥栖からの移籍を決断したときの理由に、神戸でいろいろなものを吸収して、あるいは盗んで、個人としてすごく成長したいという思いがありました。ただ、僕は一気に高み目指すよりもひとつひとつを確実にこなす……こなすというか、インパクトを残して駆け上がってきたと思っているので、これからもしっかりと地に足をつけて頑張っていきたい」

　神戸への移籍が報告された鳥栖の公式ホームページでも、飯野は「この決断が正しいのか間違っているのか、いまはわかりません」とした上で、さらにこう綴っている。

「だけど、この決断が正しかったんだと胸を張って言えるようにしようと、自分で選んだ道を正解にするんだと、覚悟を決めました」

　まっすぐな視線の先には、新天地でまだ確立されていないコンビネーションへも向けられている。たとえば先発復帰を果たし、試合を重ねるたびにプレー時間も伸ばすFW大迫勇也との関係について、飯野は言葉を修正しながらこう語る。