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久保建英 2年前

久保建英に覚醒の予感。レアル・ソシエダデビュー戦で見せた変化、マジョルカ時代になかった形とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

マジョルカ時代にはあり得なかった得点の形



 カディスが自陣でボールロストすると、ボールはミケル・メリーノの元へ。この時、攻撃に転じようとしていたホームチームの最終ラインはバラバラで、右サイドバックのホセバ・サルドゥアとCBルイス・エルナンデスの間には大きなスペースが広がっていた。

 そこを久保は見逃さずに突いた。左手を上げながらスペースへ走り込むと、メリーノから高質なロングパスが出る。久保はこれを左足でコントロールすると、最後は右足でボレーシュート。飛び出していたGKヘレミアス・レデスマの壁を破った。

 この久保の動きは、たまたまカディスの陣形が崩れていたから起こしたもの、ではないだろう。もともと意識していたからこそ出来たプレーだと言える。

 実は7分にも同じようなシーンがあったのだ。CBのイゴール・スベルディアがボールを持つと、久保は相手右SBサルドゥアの背後に走りスベルディアからのパスを呼び込んだのだ。結果サルドゥアのクリアに遭いビッグチャンスとはならなかったが、足元で受けるだけでなく、今日は背後も狙うぞという意識が表れた瞬間だった。

 マジョルカやヘタフェでは、久保のこうした姿はあまり見受けられなかった。というのも、いずれのクラブでも同選手は出し手に回ることがほとんどだったのだ。また、仮に走り込んだとしても、ボールが出てくることは稀なので、久保自身がそうした動きを制限していたようにも思えた。

 しかし、ソシエダにはメリーノなど、その“アクション”を見てくれる選手が揃っている。これまで足元がメインだった久保のプレースタイルは、同クラブでさらに幅が広がっていくのかもしれない。

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