三笘薫はなぜデビュー戦から活躍できたのか?
ピッチを縦に5分割する「5レーン」という考え方において、左WBは「アウトサイドレーン」と呼ばれる左サイドの一番大外のポジションとなる。ブライトンはその一列内側の「ハーフスペース」を攻略してゴールを狙うチームであり、前節マンチェスター・ユナイテッド戦でもハーフスペースへの侵入から中央に折り返して得点が生まれていた。
三笘はチームの認識通り、出場直後からハーフスペースに対する意識が強かった。大外から緩急を使ったドリブルで斜めに仕掛けてハーフスペースに侵入したり、自分がボールを持つことで相手の視線を集め、フリーとなった味方選手がハーフスペースに走ってきたタイミングでパスを出したりするなど、三笘がピッチに入ったことで左サイドからの攻撃がより活性化した。周りの選手との好連係も築けており、デビュー戦とは思えないほどにフィットしていた。
三笘の十八番でもあるドリブルは対峙したニューカッスルの右SBキーラン・トリッピアーも後手を踏む対応を余儀なくされており、わずか15分弱の出場ながらドリブルは2回中チーム最多の3回を成功させ、地上戦でも3回すべてで勝利とポッター監督にアピールすることに成功している。
結果的にゴールとはならなかったが、自らハーフスペースにドリブルで侵入してパスカル・グロスへと折り返したシーンは試合終盤における最大のチャンスだった。攻撃面において、デビュー戦から違いを作ることができているのは今後の主力定着に向けて好材料と言えるだろう。
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