インボイス制度とは?
「インボイス」とは、「適格請求書」のこと。消費税の納税対象者が発行する請求書内に、国税庁が交付する登録番号、消費税の適用税率、消費税額等の記載を義務付けることだ。
なぜ請求書の仕様変更が増税になるのか? 現行の消費税では、売上1000万円以下の事業者は納税が免除されている。しかしインボイス制度では、インボイス登録番号を受け取ることができるのは課税事業者のみ。つまり売上が1000万円以下の事業者でも、消費税を納税する課税事業者にならなければ、登録番号をもらえない。登録番号をもらえないことの何が問題なのか? 免税事業者へ発注する側の企業が、実質的な増税になってしまうのだ。
これを理解するには、現在の消費税の仕組みを理解する必要がある。
消費税とは、年間売り上げ1000万円以上の事業者が1年に一度納める税金だ。納税額は、次のような計算式で算出される。
売上×1/11-仕入×1/11
わかりやすくするために、ごく単純な例えを出そう。売上2200万円のクラブが、年俸880万円を選手に支払ったとする。このうち売上の1/11(2200万円÷11)である200万円を消費税相当分とみなす。そこから年俸の1/11(880万円÷11)である80万円を差し引く。残った120万円が消費税納税額、というわけだ。具体的な計算式は以下の通り。
(2200万円÷11)-(880万円÷11)=120万円