「必ず最後にシャーレを渡すと、彼に誓いたい」
「僕らも泣きたくなるくらい、本当に悔しくて、悲しくて、ここ数日は本当に感情を揺さぶられる時間を過ごしてきて……。亮くんがチームにもたらしてきたもの、人間性、姿勢、そういうものがなくなるわけではない。
最後に一番上に自分たちが連れていって、必ず彼にシャーレを渡すという僕らの使命ができた。自分たちには勝たなければいけない理由がある。大切な仲間がこういう状況になって、彼にしかわからない気持ちもあるとは思うんですけど、それでも僕らがついていることを絶対に忘れないでほしい。
これからもチームのためにやってくれると言っていましたし、これまで彼が貢献してくれたこと、このチームの一員だということは何も変わらないので、最後は一番上に連れていって、マリノスが優勝した時に彼の名前が残っているのが一番報われることだと思います。
彼の思いを持って戦い続ける。今日だけで忘れることは絶対にない。これから僕らには想像がつかないような日々が待っていると思うんですけど、辛くなった時は僕らがついていることを思い出して、頼ってほしい。彼のモチベーションや希望になるような姿を見せ続けるというのは、チームメイトとして、仲間としてできることだと思うので、絶対に1人にしないというのは約束したい。必ず最後にシャーレを渡すと、彼に誓いたいと思います」
スタンドには「トリコロールの宮市亮 再びピッチで輝け 待ってるぞ」と書かれた横断幕が掲げられていた。ファン・サポーターも、マリノスファミリー全員が宮市の完全復活を待ち続ける。
一度つないだ手は絶対に離さない。リーグ優勝という明確なゴールを目指すマリノスは、宮市の思いをエネルギーにしながらチーム一丸となって頂点への航海を続ける。最後に全員でシャーレを掲げるために。
(取材・文:舩木渉)
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