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サッカーに関連する書籍はこの世に数多く存在する。「サッカー本」と一括りにしても、サッカー選手の人生を綴るもの、技術や戦術を紐解くものなど、そのジャンルは多岐にわたる。サッカー本の読者は観戦者や指導者だけでなく、サッカーを生業とするプロサッカー選手も含まれる。プロサッカー選手はどんなサッカー本を読んでいるのか。今回は、テゲバジャーロ宮崎に所属する岡田優希が、自身が読んだサッカー本がプレーに与えた影響を綴る。(文:岡田優希)
サッカーの捉え方を変える1冊の本
競争闘争理論 サッカーは「競う」べきか「闘う」べきか?
(ソル・メディア)
著者:河内一馬
定価:1870円(本体1700円+税)
頁数:256頁
これまでのサッカー人生で感じた成功と失敗の理由、その全てが本書に詰まっていた。
読み終わった後には、これまでサッカーだと思っていたものの見方が180度変わっていた。サッカー界でよく言われている暗黙の了解に、本書は「カッコよく」答えてくれる。
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若干20歳にしてプロのサッカー監督を目指していた筆者は、同時期に東洋医学と西洋医学を学び、「目的(病気を治す)や対象(人間の身体)は一緒なのに、考え方やプロセスがまったく違う」(p17)ことを知る。そこから「もしかすると(東洋人である)日本人は、西洋で生まれたサッカーというスポーツについても、気づかないうちに(自然に)彼らとは異なる捉え方をしている(してしまっている)のではないか?」(p18)という疑問に辿り着く。
その疑問を解消すべく単身アルゼンチンに渡り、「サッカー大国」で観察を重ねた結果、「私たち日本人はサッカーの〝分類ミス〟を犯し続けている」(p26)と主張する。
本書のタイトルにもなっている「競争闘争理論」は、スポーツを「競争」と「闘争」に分類し、それから「個人」と「団体」、さらに「団体」の中に道具を介した「間接的」の概念を取り入れ、6つに分類する考え方のことである。そこで日本人はスポーツを考える時に全てのスポーツを無意識に混合しており、それによる弊害が今日のサッカー界に蔓延る根本的なミスだという。