一時的な空騒ぎ？ 観客数低下の主な要因

　ここで、現在進行中の新型コロナウイルス感染症と、それに関連する制限の影響を考慮に入れることが必要となってくる。一連の議論において、やや過小評価されているように感じられポイントだ。

　熱狂的なサッカーファンならどんな制限がかかっていようが変わらずスタジアムへ向かうとしても、試合を気軽に観戦したい大多数の一般ファンの場合は、日本国内の感染者数が増加し続ける状況でわざわざ満員のスタジアムを訪れることを躊躇するのは十分に考えられることだろう。

　あるいは、今もパンデミックの影響による経済困窮に苦しんでいたり回復中であったりする者が多い中で、金銭的に難しいということもあるかもしれない。しかも、スタジアムでは歌もチャントも禁止されている。

　普段であれば試合を取り巻く周辺事項を目的としてスタジアムを訪れるような層が、友人たちと社会的距離を取りながら静かに座っていなければならない状況で、わざわざ遠出する気にならなかったとしても不思議ではない。そういったファン層の不在こそが、おそらく最近の観客数低下の主な要因だ。

　試合日に普通の日常が戻ってきたとすれば、観客数もパンデミック前の水準にまで着実に回復していくことは十分に想定できる。そのとき、全ては一時的な空騒ぎに過ぎなかったということになるだろう。

（文：ショーン・キャロル）

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