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岩崎悠人「本当に大きな一歩」。恩師・森保一監督に感謝、追加招集からサッカー日本代表デビュー【E-1サッカー選手権2022】

text by 編集部 photo by Shinya Tanaka

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【写真:田中伸弥】



岩崎悠人、追加招集から「10番」背負って日本代表デビュー

【日本 6-0 香港 E-1サッカー選手権2022】

 EAFF E-1サッカー選手権決勝大会の初戦が19日に行われ、サッカー日本代表は香港代表に6-0の大勝を飾った。



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 この試合の後半、64分から背番号10の選手が交代でピッチに送り出されて日本代表デビューを飾った。追加招集でチームに合流したFW岩崎悠人だ。サガン鳥栖に所属する同選手は、合宿直前のリーグ戦で負傷したヴィッセル神戸のFW武藤嘉紀に代わって招集されていた。

 鳥栖は16日のリーグ戦が終わった翌日から5連休だったが、17日の朝に追加招集の連絡を受けた岩崎は急いで荷物をまとめて日本代表に合流。チーム練習には前日しか参加できなかったが、森保一監督にA代表デビューのチャンスを与えられた。

「東京五輪前の(世代別代表の)合宿にはちらほら呼ばれましたけど、東京五輪も招集されず、そこから期間が空いて代表活動にはずっと参加できなかった。今回は追加招集ですけど、森保さんがずっと見ていてくれて、苦しい期間も自分のやるべきことを継続してやってきて良かったなと思います」

 岩崎は2017年のU-20ワールドカップに出場した経験を持ち、当時は東京五輪世代でも中心選手の1人と見られていた。しかし、2019年に北海道コンサドーレ札幌へ移籍してから出場機会が激減し、湘南ベルマーレやジェフユナイテッド千葉へ期限付き移籍しても苦しい時期が続いた。

 自分が足踏みしている間に、共に戦ってきた同世代の選手たちはどんどん海外へ飛び出していき、日本代表でも重要な存在になっていく。「トミ(冨安健洋)なんかは海外のリーグでも活躍している。そういう選手を見て本当に刺激になってはいましたけど、やはり一緒にやった選手が活躍する姿を見て悔しい気持ちも少なからずあった」と岩崎は明かし、こう続ける。

「でも、焦りではなく、今の自分にやれることをやろうと思ってずっとやってきました。遅くはなりましたけど、A代表に呼ばれてデビューできたのは本当に大きな一歩。もっとここから成長スピードを上げて、(同世代の仲間たちに)追いつけるように頑張っていきたいと思います」

 日本代表に初めて招集されて「嬉しい気持ちや、お世話になったいろいろな方に恩返しができたかなとか、いろいろな気持ちが生まれました」と語る岩崎にとって、日本代表入りのチャンスを与えてくれた森保監督は特別な存在だ。

「札幌で試合に出られていないタイミングでも何回か代表に呼んでくれましたし、苦しい時に代表に呼んでくれて、またそこで自分の良さを再確認させてくれたなと思うことが多い。本当に森保さんに感謝しています」と、日本代表デビューを飾った24歳は恩師への感謝を語る。

 出場機会を得られず自分を見失いそうな時に世代別代表の活動に参加することで、プレーへの自信を失うことなく努力を続けられた。岩崎は「代表に呼んでくれることで自分の自信にもつながる。代表に来るたびに頑張ろうと思えていた」と森保監督への感謝を重ねた。

 今度は岩崎が恩返しする番だ。「とにかく3連勝して、E-1選手権で優勝すること」が森保監督への感謝を表す最高の形。「自分が結果を出してチームに貢献することはもちろんですけど、ピッチ内、ピッチ外を含めてチームに貢献していけたらなと思います」 と、日本代表の背番号10は決意を述べる。

 鳥栖でウィングバックという“天職”を得て、攻守にわたる運動量や強度、縦への推進力が最大限に発揮されるようになった。それが岩崎に好循環を生み、「自分の良さを生かしてプレーすることは大事なんだと再確認」して、今ではサイドならどんな役割もタフにアグレッシブな姿勢でこなせるようになっている。

 森保監督への感謝をE-1サッカー選手権のタイトル獲得という結果で示せるだろうか。日本代表デビューを果たした岩崎のモチベーションは最高潮まで高まっている。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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