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【写真:田中伸弥】
町野修斗、日本代表デビュー戦で2得点
【日本 6-0 香港 E-1サッカー選手権2022】
EAFF E-1サッカー選手権決勝大会の初戦が19日に行われ、サッカー日本代表は香港代表に6-0の大勝を飾った。
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この試合が日本代表デビュー戦となったFW町野修斗は初ゴールも含む2得点で勝利に大きく貢献した。湘南ベルマーレでリーグ戦8得点を決めてブレイクしたストライカーは、目に見える形で爪痕を残すことに成功した。
横浜F・マリノスで過ごしたプロ1年目はJ1トップクラスのチームでプロの壁にぶつかり、練習でも紅白戦に混ぜてもらえないなど苦しいシーズンを過ごした。「見返してやるという気持ちでJ3に行って、J2に上がってというステップアップだったので、1年目の悔しさというのはかなり大きかった」と移籍先のギラヴァンツ北九州で結果を残し、湘南ベルマーレでJ1の舞台に挑戦する権利をつかむ。
そして、昨季はリーグ戦4得点。満足のいく数字ではなかったが、今季は序盤から得点数が伸びていき、5月にはヴィッセル神戸と川崎フロンターレから2試合連続2得点を奪うなど急成長を遂げる。今ではすっかりエースストライカーの貫禄だ。
町野は湘南に加入してからの1年半での立場の変化を実感していた。
「日々の練習でゴールする回数が増えてきて、やっぱり『町野に預けたら点を決めてくれるな』という信頼感やイメージを作り出せたので、そのおかげで試合中もパスが出てくる回数が増えました。それが大きいかなと思います」
日本代表でも「町野に預けたら点を決めてくれる」という空気を作り出すためには、何が必要なのか。それは「決定機というか、チャンスを確実にモノにする」こと。町野は「1つ目のチャンスからかなり大事かなと思っているので、しっかり一発目で仕留めたいと思っています」と語っていた。
その言葉の通り、香港代表戦では20分に訪れたチャンスを一発で確実に仕留めた。町野はDF山根視来が右サイドから上げたクロスに、得意のヘディングで合わせてチームの2点目を奪う。この追加点が日本代表に勢いをもたらしたのは間違いない。
「相手の背後にいて、ボールに対してアタックしようかなと思っていたら、かなりいいボールが来たので本当にヘディングしやすかった」と自らの日本代表初ゴールを振り返った町野は「いいデビューというか、いい思い出にはなったんですけど、まだ1試合終わっただけなので、すぐ切り替えて中国代表戦に向けて準備していきたい」と気を引き締める。
試合前には今大会の目標を「3得点」と掲げていたが、それもあと1得点で達成することができる。「1試合1点でも、1試合3点でもいいんですけど、目標は大きくというのが僕の中のモットーなので」と語っていた町野だからこそ、すでに新たな目標を頭の中に思い浮かべているに違いない。
「自分の武器は収めるところであったり、背後へのランニングだったり、フィニッシュワークの多さだったり、多彩さが武器だと思っています。でも、まだまだ全然高いレベルではないと思ってるので、こういういい相手と、いい仲間とできる時にしっかりたくさん吸収して、たくさん学んで、本当にレベルアップしないと、全然まだまだ日本を代表するストライカーにはなれないと思っています。毎試合、1日1日本当に成長したいなと思っています」
まだ「預けたら点を決めてくれる」と思われるほどの信頼は築けていない。「もっともっとガツガツいく」ことで得点場面以外でもチームに貢献し、最後の局面で違いを生み出せば、町野の代表でのキャリアは大きく拓けてくるだろう。
「サッカーにとって一番大事なところはゴールという結果。他の部分でどれだけいいプレーをしていても、ゴールがないと目立てませんし、評価もされないと思っているので、どんな状況でも点を取れるような選手になりたいとずっと思っています」
「チャンスがあるなら絶対に決めてやると思っています」と日々自信を深めるストライカーは、E-1選手権で自らの存在意義を証明できるだろうか。練習に混ざれず精神的にも追い込まれていた1年目の頃のようなひ弱さは、もはや微塵もない。
(取材・文:舩木渉)
【了】