3年前のリベンジ
「ちょっと今日は少なかったですけど、個で打開できるっていう攻撃の部分と、何回かプレッシングで相手のサイドバックのところで引っかけることができたんですけど、守備でハードワークして戦えるってところが自分の持ち味かなと。それを前面に出して頑張りたいと思います」
確かに1年前の東京五輪でも彼の突破力と激しい守備が日本代表にチャンスを演出していた。ドリブラーという観点ではどうしても三笘と重なりがちだが、相馬には相馬のリズムや駆け引きがある。しかも守りの部分は三笘以上に貢献できるはず。そういったよさを今一度、指揮官に認識してもらうためにも、ここから先の戦いが非常に重要になってくる。
2019年大会の韓国戦に後半から出場し、劣勢を跳ね返せなかった彼は、27日の宿敵との再戦の意味を誰よりもよく分かっているはず。そこで勝利できなければ、逆転W杯の夢は潰える。そのくらいの強い危機感と闘争心を持って、自身のギアを一段階二段階引き上げていくべきだ。
「韓国は本当にインテンシティが高くて球際も来ると思う。技術じゃなくて戦う部分、走力が勝敗を分ける。2019年も(ファン・インボムの)左足一発でやられてしまった。本当に集中しなければいけない」と彼は語気を強めた。
3年前の悔しさを知る男がリベンジを果たし、カタールへの望みをつなげるというのが、理想的なシナリオだ。それを具現化すべく、相馬には積極果敢にチャレンジを続けてほしいものである。
(取材・文:元川悦子)