南野拓実や三笘薫にはない武器とは?
「客観的にも現実的にも今の自分は当落選上よりさらに下の位置にいる」と自ら認める序列の低さを覆し、逆転でW杯をつかむためにも、目に見える結果を残し続けるしかない。64分間プレーし、6-0の大勝に貢献した香港戦は悪くない出来だったのではないか。出場した16人の中で最もカタール行き近い印象を残したのも確かだろう。
ただ、彼の左FWには南野拓実と三笘がいることを忘れてはいけない。南野は2018年秋の現代表発足時からのエースで、森保監督はリバプールで試合に出らなかった時期も決して外さなかった。それだけ絶大な信頼を寄せている。そして三笘も1人で2~3枚はがせるドリブルスキルとスピードを備えたキーマン。今や「戦術・三笘」という言葉さえあるほどだ。
ある意味、「森保ジャパン攻撃陣の心臓」とも言える2人がひしめくポジションに割って入るのは容易ではない。2ゴール1アシストという今回の結果だけでは、サプライズを起こすのは難しい。高いハードルをあえて越えようと思うなら、自分の強みを徹底的に研ぎ澄ませていくしかないだろう。
その武器の1つが、香港戦で示したリスタートだ。直接決められるのは南野や三笘にはない武器。代表ではそうそう蹴らせてはもらえないだろうが、とにかく精度を高めることでチャンスが広がっていくだろう。
2つ目は2点目のシーンに象徴されるようなゴール前にタイミングよく詰める形。三笘もブライトンデビューとなったエストリル戦で似たような形から得点しているが、右で崩して左が仕留めるのは今の日本代表の重要な得点パターン。相馬も決める力があることをもっともっと体現していく必要がある。
さらに言えば、個の打開と守備面の献身性をより強烈にアピールしていくことが肝要だ。本人も次のように口にしている。