意外だった起用とは?
藤田とともにU-21日本代表から抜擢されたGK鈴木彩艶は攻め込まれる場面が少なく、ある意味見せ場のない試合だった。才能の大きさはすでに知られていて、その期待からの今回の代表入りだったと思われる。
ただ、カタール大会を第一に考えるなら、横浜FMの高丘陽平を選ぶべきだったのではないか。6月の強化試合4戦では、自陣ビルドアップのミスからの失点が相次いでいた。ビルドアップの上手いGKを試す機会でもあり、今季のJ1で1試合も出ていない鈴木をこのタイミングで優先させたのは意外だった。
交代出場の宮市亮を含めて横浜FMの6人がプレーした。次の中国戦はおそらくサンフレッチェ広島を中心とした編成になるのではないか。同じクラブからのセット起用は寄せ集めの代表チームにありがちな連係の不具合を最小限にする効果が期待できそうだ。香港戦、中国戦を踏まえての最後の韓国戦がワールドカップへの最終テストになるのだろう。
(文:西部謙司)
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