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宮市亮は10年前と全く違う。W杯行きのチャンスは? 19歳でサッカー日本代表初選出、引退も考えた男の逆襲【コラム】

text by 編集部 photo by Getty Images

10年前とは全く違う宮市亮


【写真:Getty Images】



 今月13日の会見で「ベッドから代表戦を見ることもあった」ともコメントしたが、それはまさにこの頃ではないか。2018年と言えば、ロシアワールドカップ(W杯)に同い年の柴崎岳や宇佐美貴史が参戦していた頃。決して口にすることはないが、彼らとの落差に打ちひしがれた日々もあったはずだ。

 そこまでの苦境を味わってもなおサッカーにこだわり、必死のリハビリで復帰し、2021年夏に日本に戻る一大決心をした宮市。それから1年が経過し、今季の横浜で15試合出場3ゴールという結果を残して、ついに代表復帰を勝ち取った。朗報を耳にした瞬間、湧き上がったのは喜びや感動といった簡単な感情ではなかった。自身が口にした「いろんな感情」という言葉の意味は非常に奥深いのだ。

 ただ、1つ言えるのは、常人には想像もできない数々の修羅場をくぐり抜けてきた今の宮市は強く逞しいプレーヤーだということ。その事実を内田篤人(JFAロールモデルコーチ)ら代表の先輩たちも認めたからこそ、「宮市をもう一回、代表に呼んでほしい」と主張していたのだ。期待を寄せられる本人も10年前とは全く違うメンタリティで日の丸を背負うのは間違いないだろう。

 29歳のスピードスターを森保一監督がどのように起用するのかは、今大会の大きな注目ポイントと言っていい。16日のサガン鳥栖戦を見ても分かるように、最近の横浜での主戦場は左FW。今回の26人を見渡すと、まずは相馬勇紀との競争になりそうだ。スピードとドリブルを武器とする2人は似たタイプと言えるが、宮市の方がよりストライカーに近い。直接ゴール前まで持ち込んでフィニッシュを決める能力がある。そういう意味では、三笘薫に通じる部分もあると見ていい。

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