「率直に言って、今のままじゃ…」
迎えた4月8日。神戸はロティーナ前監督の就任を発表。新体制で臨む同10日のセレッソ大阪戦を前にして、大迫はオンライン形式の囲み取材に応じている。
質疑応答のなかで当然ながら代表に関しても問われた。メディア側としては代表復帰を前提に、すでに決まっていたグループリーグの組み分けも踏まえて、ワールドカップへ向けた大迫の思いを聞きたかった。しかし、返ってきたのは意外な言葉だった。
「率直に言って、今のままじゃ代表に選ばれないと感じている。僕自身、結果も出ていないので、まずは(神戸での)この状況を少しでも好転させたい」
代表に名を連ねる資格はない。大迫が抱き続けてきたポリシーがこう言わせた。すかさず真意を問う質問が重ねられた。大迫は静かな口調で持論を展開している。
「そういう選手が代表に行くべきだと思っている。なので、そこは自分に対してもプレッシャーを与えながらやっていきたい。いまは本当に結果がほしい。個人的にもほしいし、チームとしてもすごくほしいので」
言葉を補足すれば、大迫が口にした「そういう」とは「所属チームで結果を出した」という意味が込められている。戦列を離れて治療に専念すれば、負傷の連鎖は食い止められたかもしれない。しかし、神戸が直面した苦境がそれを許さなかった。