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数多くの激闘が繰り広げられた2021/22シーズンが幕を閉じた。欧州各国でプレーする日本人選手たちは、果たしてどのような活躍を見せたのだろうか。今回は、イタリアのサンプドリアに所属していた吉田麻也のシーズンを振り返る。(取材・文:舩木渉)
惜しまれつつサンプドリア退団
2022年7月1日。日本代表DF吉田麻也に対し、前日まで所属していたサンプドリアの英語版公式ツイッターが「日本語で」惜別のメッセージを発信した。
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「麻也へ
遂に退団日ですね
君はサッカーとそれ以外の両方の観点から、非常に困難な時期に我がチームに入団しました。1人で、そしてロックダウン中でありながらジェノヴァとイタリアを知ることになりました。激しい2年間でしたがいつも笑顔だった君はファンとクラブ全員から尊敬を得ました
ありがとう」
2020年1月にサンプドリアの一員となってから2年半。吉田は別れを惜しまれる形で契約満了の日を迎えた。イタリア人ではなく、タイトルを獲得したわけでもない。多くの選手がひっそりと“裏口”から去ることを余儀なくされるサッカー界で、たった2年半の在籍にもかかわらず堂々と表門をくぐってジェノヴァの街を出ることができた。
サンプドリアの英語版ツイッターでは日本語メッセージの1つ前の投稿で「私たちが離れ離れになって最初の日。これを乗り越えることは決してできないでしょう。グッドラック、マヤ!」と別れを惜しむとともに、「管理者の今の気持ち」として号泣している顔の絵文字が添えられていた。
これほど愛されたのは、彼の人望があってこそだろう。
吉田がサンプドリアで確固たる信頼を得ていることを象徴していたのは、今年4月23日のセリエA第34節、失点に絡んでエラス・ヴェローナと1-1のドローに終わった試合の後のエピソードだ。残留争いで神経をすり減らしながら戦い、「勝ち点2」を失ったとも言える状況で、吉田はFWファビオ・クアリアレッラと口論になった。
このシーンは映像にも残っており、「内紛か?」と盛んにネガティヴな報道がなされた。だが、クアリアレッラは翌日に「(残留争いの)特殊な時期かつ重要な目標がある中で、試合後の緊張でああなっただけ」とSNSで釈明。話し合って和解に至っていることをアピールし、吉田もそれに応じた。