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前田大然、セルティックで加速する進化。横浜F・マリノス時代から徹底してきたプレーの先にあった結果【21/22欧州日本人総括コラム】

シリーズ:21/22欧州日本人総括コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

鮮烈デビュー弾。一気に信頼つかむ

前田大然
【写真:Getty Images】



 そして、1月17日に迎えたデビュー戦でいきなり大きなインパクトを残す。スコティッシュ・プレミアシップ第21節のハイバーニアン戦、開始4分で前田は鮮烈なデビューゴールを挙げたのである。トム・ロジッチのお膳立てを受けてゴールネットを揺らし、速攻を完結させた。

「最初の入りはすごい大事やと自分でも感じていたので、うまくいきすぎかな……という感じはありますけど、自分が今までしっかりやってきたからこそだと思います」

 デビュー戦で監督のみならずチームメイトやファン・サポーターからの信頼も勝ち取った前田は、日本代表活動のために離脱した2試合を除くリーグ戦16試合に出場し、6得点という成績を残した。

 国内外のカップ戦も合わせれば公式戦22試合に出場して7得点5アシスト。前田はマリノス時代と同じくセンターFWと左ウィング、2つのポジションで起用されて攻守に躍動した。

 リーグ戦での各得点場面を見てみると、前田らしさがよく表れたものばかりだった。第35節のマザーウェル戦、カウンターで味方のスルーパスに抜け出した前田はトップスピードからの切り返しで相手DFをかわし、最後はブロックに遭いながらも泥臭くシュートをゴールにねじ込んだ。

 第30節のリヴィングストン戦では味方がコーナーキックをニアサイドで逸らしたところ、ファーサイドでこぼれ球に反応した前田がゴールに押し込んだ。第31節のロス・カウンティ戦でもコーナーキックで味方が競り合ったボールに反応してコースを変えてゴールネットを揺らした。2つとも最後の瞬間まで諦めずにゴール前に詰める貪欲さが実ったゴールだった。

 さらにレギュラーシーズン最後の第33節では、ジョタのクロスにヘディングで合わせてゴール。1アシストも記録し、7-0の快勝に大きく貢献した。ポストスプリット第3節のハーツ戦で決めたゴールは、速攻の場面でジョタのクロスに逆サイドからしっかりと詰めて貴重な同点ゴールを奪った。

 左ウィングであろうとセンターFWであろうと、クロスに対して必ずゴール前まで詰める。セットプレーでも最後の瞬間までシュートを狙う。マリノス時代から徹底してきたプレーをセルティックでも続け、ポステコグルー監督からの信頼に応えた。

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