冨安健洋 最新ニュース
数多くの激闘が繰り広げられた2021/22シーズンが幕を閉じた。欧州各国でプレーする日本人選手たちは、果たしてどのような活躍を見せたのだろうか。今回は、イングランドのアーセナルに所属する冨安健洋のシーズンを振り返る。(文:小澤祐作)
アーセナルを立て直す
ミケル・アルテタ監督体制3年目となった2021/22シーズン、アーセナルのスタートは最低最悪だった。
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開幕節の相手は、このシーズンよりプレミアリーグに昇格してきたブレントフォード。当然アーセナルの方が下馬評は高かった。ところが、22分に先制点を献上すると、後半にも1失点。結局90分間で1点も奪うことができず、まさかの0-2完敗を喫することになった。
翌第2節チェルシー戦は、踏んだり蹴ったりだった。前半だけで2点を失い厳しい状況に追い込まれると、後半にキーラン・ティアニーとガブリエル・マルティネッリの2人が負傷。そして攻撃陣はまたも不発に終わり、ブレントフォード戦に続き0-2と完敗した。
第3節の相手は後の王者となるマンチェスター・シティだった。アルテタ監督は何とか勝ち点を拾おうと5バックで守りを固めたが、グラニト・ジャカの退場も響き防波堤はすぐに決壊。大量5失点を喫し、何も出来ぬまま敵地エティハド・スタジアムを去ることになった。
アーセナルがリーグ戦で開幕3連敗を喫したのは、1954/55シーズン以来、実に67年ぶりのことだった。さらに、同3試合で得点0、失点9、得失点-9というのは、2003/04シーズンのウォルバーハンプトン(後に最下位で降格)に次いでプレミアリーグ史上2クラブ目の不名誉な記録となっている。当然、この時はアルテタ監督の解任の噂も出ていた。
しかし、アーセナルは第4節ノリッジ戦でようやくリーグ戦初勝利を挙げると、そこからの8試合を無敗で切り抜けることに。順位も最下位から一気に5位まで浮上することになった。
アーセナルがこれほど調子を上げた理由としては、開幕3試合にはなかった守備の安定感が挙げられる。事実、第4節ノリッジ戦からの8試合で複数失点を喫したのは、第8節クリスタル・パレス戦の1試合のみとなっている。
では、なぜ守備に安定感が生まれたのか。その理由は主に2つある。
1つ目は、開幕3試合を欠場していたガブリエウ・マガリャンイスやトーマス・パーティといった主力が戦列に戻ってきたこと。そして2つ目は、即戦力として獲得した2人がすぐにフィットしたことにある。それが、シェフィールド・ユナイテッドからやって来たGKアーロン・ラムズデールとボローニャからやって来たDF冨安健洋である。