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Jリーグ 2年前

背番号7と背番号39。サンフレッチェ広島で輝く2人の“新戦力”。スキッベ新監督の下で残すインパクトとは?【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

静かに復活を果たす28歳



 ブラジル人FWが決めたこの試合の決勝点をお膳立てしたのは野津田岳人。2010年代半ばに高評価の若手選手として頭角を現しながらも、ここ数年間はポテンシャルを存分に発揮できずに終わるのではないかと感じさせていた。だが、今季はサンフレッチェのキープレーヤーとして静かに復活を果たしている。

 地元クラブでパフォーマンスが一定しなかった野津田は、アルビレックス新潟(2016年)、清水エスパルス(2017年)、ベガルタ仙台(2017年、2018年)へとレンタルに出されて存分な躍動を見せたかに思えた。だがエディオンスタジアムに戻ってきた2019年、2020年はまだ煮えきらず、昨年もまたヴァンフォーレ甲府へと送り出されることになった。

 広島でのチャンスは潰えたかにも思えたが、甲府ではJ2で2得点にとどまりながらもわずか1試合の欠場を除いてフル稼働。活力を取り戻して今季からサンフレッチェに戻ってくると、スキッベのチームを担う重要な存在に定着した。

 中盤での安定したパフォーマンスに加えて、直近の3試合ではいずれも決定的なプレーに関与している。名古屋グランパスとセレッソ大阪に勝利した試合ではゴールを記録。ベスト電器スタジアムでのアビスパ戦ではヴィエイラの1点目のアシストに加えて、前半28分のサンフレッチェの先制点も野津田の献身的なプレッシングから生まれたものだった。野津田が前寛之からボールを奪い、最後はベン・カリファからパスを受けた満田誠がシュートを突き刺した。

 満田の足元にボールが転がった時点でゴールを確信できたという事実が、この22歳の衝撃的なデビューシーズンの全てを物語っている。このまま自信と活力溢れるプレーでファイナルサードでの決定力を発揮し続ければ、欧州クラブから声がかかるのもそれほど先のことではないはずだ。まだデビューから日は浅いが、彼のインパクトは2015年FC東京の武藤嘉紀や2020年川崎フロンターレの三笘薫を彷彿とさせる。

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