海外日本人選手 最新ニュース
数多くの激闘が繰り広げられた2021/22シーズンが幕を閉じた。欧州各国でプレーする日本人選手たちは、果たしてどのような活躍を見せたのだろうか。今回は、ドイツのシャルケに所属する板倉滉のシーズンを振り返る。(文:小澤祐作)
板倉滉は「大当たりだ」
「イタクラは我々が長い間、チェックし続けてきた選手だ。そのクオリティーに強い確信を抱いており、アクティブかつアグレッシブなディフェンス、非常に良いポジショニング、攻守両面における空中戦での強さを持った選手だ。24歳ながら多くの経験を積んでいて、我々をより豊かにしてくれることだろう」
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板倉滉のマンチェスター・シティからシャルケへの期限付き移籍が発表された際、シャルケのルーベン・シュレーダーSDは上記のコメントを残していた。そんな同SDの期待に応えるだけの…いや、それ以上の存在感を、日本の若きDFは約1年という短い期間で示したのである。
板倉のシャルケでの初陣は厳しいものだった。第4節ヤーン・レーゲンスブルク戦で後半頭よりピッチに立つと、45分間だけで3失点。板倉はファウルで失点に繋がるフリーキックを献上しただけでなく、相手コーナーキックの場面でダビド・オットに前へ入られてヘディングゴールを許すなど、2失点に関与してしまったのだ。
その試合後、当時のディミトリオス・グラモツィス監督からは一定の評価を得ていたものの、現地メディアからは厳しい目を向けられることに。事実、『キッカー』誌による板倉の採点は「5点」というものだった(『キッカー』の採点は1~6、最高点が1で最低点が6となる)。
それでも、板倉はすぐに気持ちを切り替え、翌第5節フォルトゥナ・デュッセルドルフ戦で移籍後初先発を飾ると、好パフォーマンスを披露して3-1勝利に大きく貢献。そこからリーグ戦7試合連続でフル出場を達成と、すぐさまその地位を確固たるものにしてみせた。
当然、板倉に対する周囲の評価も高かった。グラモツィス監督は「彼(板倉)の特徴はボールを持った時の冷静さ、そして巧みな捌きにある。さらにコミュニケーション能力も高い。まさに彼は、我々にとって大当たりだ」と大絶賛。地元紙『レヴィア・シュポルト』は「すでにブンデスリーガのレベルに到達している」と指摘し、さらにかつてシャルケでプレーした内田篤人のように「ファンから支持される要素の全てを兼ね備えている」と評していた。
そして板倉は、最高の“称号”も手に入れることになる。