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株式会社カンゼンが主催するサッカー本大賞は、その年に出版されたサッカー関連書籍から優れた書籍を毎年表彰している。出版されるサッカー本は、ワールドカップやオリンピックなどのビッグイベントなどの影響もあり、年によって大きく変わる。YouTubeチャンネル『MILKサッカーアカデミー』のノーミルク佐藤氏、井上マー氏、フットボール批評の石沢鉄平、フットボールチャンネル編集長の加藤健一の4人が、歴代受賞作とサッカー文化の変遷を語った。
【写真:Getty Images】
サッカー本大賞とは?
佐藤「『サッカー本大賞2017』は岩政大樹さんのPITCH LEVELでした。このあたりになると、本だけで語れなくなってきますね。我々MILKサッカーアカデミーもこの翌年の2018年にスタートしましたが、YouTubeとかブログとかTwitterとか、SNSで戦術を発信する方が日本だけでなく世界で増えてきたのかなと。
(それまでは)戦術を知るとなると、ヨーロッパで本になって、日本で翻訳されて『こういうものなんだ』と知る傾向がそれまであったんですけど、リアルタイムで(ペップ・)グアルディオラのポジショナルプレーだったり、ドイツ中心に広がったプレッシングだったりを解釈できる方、言語化できる方が凄く増えてきた。即時性が出てくるようになってきたのはこの年あたりなのかなと思いますね」
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加藤「岩政さんはDAZNで解説をされていましたが、SNSで自ら発信できる人が増えてきた印象はありますね。そういった知識のある人たちが増えてアカデミックな方向に進み、それを求める人が増えて本になるということだと思いますね」
井上「双方向に語り合う文化になっていったということですね。時代が変わっていってる」
石沢「語れるプレーヤーが増えたということもあると思いますね」
佐藤「テクノロジー的な側面もあって、4年間の似た流れはありつつ、いい感じに上にスパイラルしていってるのかもしれません」
井上「受け取る側も『W杯だいくぞー! 優勝だー!』というのから、『よく考えよう。どうやってヨーロッパに与していけばいいか』と冷静になってきているのかもしれないですね」
石沢「(時代を反映する)鏡かもしれないですね」
佐藤「次の2018年はワールドカップの年ですね。大賞が2つ選ばれました」
石沢「小説は初めてですね」
井上「(『ディス・イズ・ザ・デイ』の著者である)津村記久子さんは芥川賞も取った方ですね」
石沢「もう1つ(『MLSから学ぶスポーツマネジメント』)は対局ですよね。これはカオスな年だなという印象ですよね」
佐藤「この年に関しては一貫性というよりはあらゆるものが出てきたなというのがあったんですが、代表については記者の方にとっても難しかったのかなと思っていて、3月まではハリルホジッチ体制で、4月からは西野ジャパンに変わり、大変な中で6月に招集して……というのがありましたから」
なので考察する書籍というよりは自叙伝系が多いというか、内田篤人さんや川島永嗣さんのような代表経験者の書籍が一気に出てきましたので、2014年とは違ったような年だったのかなと思いました」
井上「ちょっと待ってください。あらゆるジャンルの書籍が大賞を取ってますよ。絞り切れないですよ。(次は)絵本じゃないですか?」