南野に突き付けられた厳しい現実
「僕が出る試合は誰もあまり興味のない試合が多かった。結果を残してもそんなに反響があるわけでもない。自分自身の価値を証明するために、自分自身で奮い立たせて頑張っていた」
「選手としてここまで試合に出られない難しい期間が続いたことは今までになかった。その中でどうやってコンディションを維持するのか、悔しさをどう次につなげるのかは意識していた。もちろん、すべてのタイトルの可能性を残して最後まで戦えたのは、サッカー選手として充実していたとは思う。
でも、それと同時に選手としては重要な試合に出て結果を残すことに意味がある。自分が出て結果を残したと言われるけど、別に大したことをしたとは思っていない。当たり前のことをやっていただけだし、手応えというよりも悔しかった。もっと重要な試合に出て、結果を残せる選手になりたい」
上記のコメントからも分かる通り、今季の南野は重要な試合で全く出番を与えられなかった。プレミアリーグでは11試合の出場、うち先発は1回で、プレータイムは176分間。チャンピオンズリーグ(CL)では決勝トーナメント進出がすでに決まっている状況で迎えたグループリーグ第5節と第6節でこそ先発出場を果たしたが、決勝トーナメントでは1試合もピッチに立つ機会がなかった。
カラバオ・カップでは準決勝までの全ての試合に出場していたが、肝心の決勝戦はベンチで見守ることに。FAカップでは準々決勝までプレーし活躍するも、準決勝と決勝はベンチにすら入れないという残酷な結果だった。
「あまり興味のない試合」、言い方を変えれば重要度がそこまで高くない試合では出番があり結果も残した。しかし、カップ戦決勝やCL決勝Tといった重要度の高い試合では途中出場すらなかった。マネやジョタ、ルイス・ディアスと確かにライバルは強力だったが、クロップ監督から「まだそれほど高いレベルに無い」と遠回しに評価されているようなものだったとも言わざるを得ないのだ。
当然、プロとして戦っている南野にとっては悔しい結果であり、厳しい現実である。サポーターやメディアからの評価と、南野自身が感じた手応えには、決して小さくないギャップがあるのかもしれない。