監督の言葉に嘘はなかった
夏にU-24日本代表の一員として東京五輪に参戦していた堂安はチームへの合流が遅れ、その影響でUEFAチャンピオンズリーグ(CL)予選に出場できず、エールディビジ開幕2試合はベンチ外、第3節フローニンヘン戦はベンチと、難しいスタートを強いられることになった。
しかし第4節AZ戦で途中出場を果たすと、いきなりゴールを記録。翌第5節フェイエノールト戦はベンチスタートとなったものの、第6節ゴー・アヘッド・イーグルス戦からは継続してスタメンに名を連ねるようになった。
「チャンピオンズリーグの予選でチームがとても良いプレーをするのは見ていました。僕はその場にいませんでしたし、その前のシーズンはPSVでプレーしていなかったので、その時は自分のクラブという感じがしなかったんです。けど監督は僕に約束してくれました。その約束は最終的にすべて実現しました」という堂安の言葉からも明らかな通り、「多くのプレータイムを得られる」というシュミット監督の言葉に、嘘はなかったのだ。
とくに堂安の評価が高まったのは11月から12月にかけてと言えるだろう。
10月下旬の時点で、チームはフェイエノールト戦(0-4)、ヴィレムII戦に(1-2)、アヤックス戦(0-5)を落とし3位に位置するなど、なかなかパフォーマンスが安定していなかった。また、コディ・ガクポやエラン・ザハヴィといった主力の離脱も重なっており、難しい時期でもあった。
しかし、そうした事情もあって、それまであまり出場機会を得られていなかったエリック・グティエレスやブルマ、カルロス・ヴィニシウスらに出番が回ってくると、彼らの頑張りもあって攻撃のクオリティーが向上。よりテクニカルなサッカーを展開し、11月と12月のリーグ戦を無敗で乗り切ることに成功したのである。
その中で、堂安も周囲とうまく連係しながら躍動していた。第12節フォルトゥナ・シッタート戦でゴールを決めると、第15節ユトレヒトとの重要な上位対決では1得点1アシストの大活躍で4-1大勝の立役者に。絶対王者アヤックスを逆転し、首位でのウィンターブレーク入りに貢献することになった。
堂安の活躍ぶりには、シュミット監督も満足していたようだ。オランダ・メディア『ED』が11月26日付けで、次のようなコメントを伝えていた。