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Jリーグ 2年前

「J2降格の筆頭株」の柏レイソルはなぜ4位にいるのか? 下馬評を覆した地道なプランと戦術の生命線を担う3人【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

柏レイソルのストロングポイント



 昨夏に浦和レッズから赴いた武藤雄樹は、今季から背番号9を背負うことになったが、2月に右ひざ半月板の手術を受けた。4月29日のサガン鳥栖戦で復帰したものの、再びケガで長期離脱を強いられていた。苦しみ抜いたアタッカーが戻ってきたことも大きい。

 前述の通り、今は細谷が不在。ドウグラスも長期離脱するなど前線のコマが揃わない中で、日替わりヒーローが出てくる選手層の厚さも、今の柏の強さと見ていいはずだ。

 この後、神戸が大迫勇也、ボージャン、初瀬亮など攻撃の変化をつけられる人材を次々と投入してきても、柏は慌てることなく、試合をクローズさせた。最後に中盤を引き締めた三原雅俊などは今季初出場だったが、経験豊富な選手らしい落ち着きをチームにもたらした。そういう戦力が沢山いるのも、彼らの大きなストロングではないか。

「出場機会に恵まれない選手の状態をどう整えるかが大事。久しぶりに入った選手もパーソナリティ、戦術的なクオリティ含めてよくやった」とネルシーニョ監督も前向きに評価した。「誰が出てもチーム力が落ちない」ということを、彼らは実証したのである。

 昨季途中に江坂任が去り、オフシーズンに仲間隼斗、瀬川祐輔、神谷優太が移籍した時点で、ここまでの戦いができると考えた人はそう多くなかっただろう。ネガティブな見方を覆した彼らの攻守の安定感、総合力、全員の献身性は特筆に値する。このまま行けば、ここからの優勝争い参戦もないとは言い切れない。

「後半戦は下じゃなくて上を見て戦っていこうと選手たちに伝えました」とネルシーニョ監督も力を込めた。2022年シーズンの台風の目となった柏はここからどのような軌跡を辿っていくのか。若手の成長も含め、伸びしろは少なくなさそうだ。

(取材・文:元川悦子)

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