戦術を支える3人の献身性
この判定に関しては物議を醸したが、菊池がスパイクの裏を見せて滑っているため、PKを取られても仕方ない状況だった。加えて言うと、戸嶋の動き出しも速かった。柏はアンカー・椎橋、両インサイドハーフの戸嶋、マテウス・サヴィオの献身性とハードワーク、素早い切り替えが傑出しており、中盤で神戸を上回ったのは間違いない。
データを見ても、フル出場した椎橋の走行距離は11.937kmで全選手トップ。戸嶋も11,330kmと上位の数字を叩き出した。マテウス・サヴィオは77分出場で8.990km。これも90分だった11km近いところまで行っていただろう。
「中盤3枚のスライドは正直、長いですけど、そこはチーム戦術。サヴィオ選手と戸嶋選手のハードワークで相手を制限できて、後ろの5枚がしっかり球際に行けて、ボールを奪えている場面が多い。みんながいい距離感でできているからそこからの速い攻撃にもつながっていると思います」
椎橋が完成度の高さに胸を張って話すように、彼らの関係性も柏の躍進につながっていると見ていいだろう。
後半は神戸が最終ラインを本来の4枚に戻して攻撃のテコ入れを図ってきた。全体が前がかりになり、柏は受ける時間帯が多くなったが、強固な守備組織は崩れない。そして後半20分、途中出場したばかりの武藤雄樹が右CKの流れから柏加入後初ゴールをゲット。3-1と相手を突き放すことに成功した。